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【えぞ財団:経営者対談】セコマ赤尾社長にサツドラHD富山社長 がインタビュー①~コロナ禍4月に社長就任、活きた震災の教訓~

 北海道を中心に1224店舗を展開し、道内の人口カバー率は99.8%のセコマ。コロナ禍4月にセコマ社長に就任した赤尾新社長が語るこれからのセコマと北海道の可能性とは。コロナの影響に関して「両極端な2パターン」を想定しつつ、次のステップへ仕掛けを進める。小売業・地域密着・生活インフラなど共通点の多いサツドラHD富山社長がインタビュー。(2020年5月27日取材)

■赤尾洋昭:2020年からセコマ代表取締役社長。マツダを経て、2004年セイコーマートに入社。1977年札幌市出身。趣味は読書。
■富山浩樹:2015年からサツドラホールディングス代表取締役社長。卸商社を経て、2007年サッポロドラッグストアーに入社。1976年札幌市出身。趣味はジョギング、お酒。

○コロナ禍の4月に就任、セコマ赤尾新社長

富山:赤尾さんはセコマ社長に4月になられて、結構大変なすごい時期に社長交代になりましたよね。ちょうどコロナ禍で大きく影響出ているときでした。当然ですが、社長就任は決まってたんですよね?

赤尾:そうですね。3月に一応リリースして4月1日就任だったんですけれども、こういう状況だったので、お客様もなく、挨拶回りもなく。

富山:いつぐらいから、そういうふうな準備をされていたんですか?

赤尾:(前社長・現会長の)丸谷からは1年ぐらい前に言われまして、次の総会の後に社長就任ということで。

富山:でももうその前も、代表権を持たれて、副社長としてやってましたよね。

赤尾:担当の業務もほとんど変わりませんので、そういう意味では全然仕事内容としては変わらないですし、副社長時も代表権もあったので責任もほとんど変わらないです。

富山:丸谷さんとは社長と副社長っていう関係性から、会長と社長という関係性に変わった感じですもんね。役割分担というのは変わらないって言っていたけど丸谷さんとの役割分担はどういうふうになっているんですか?

赤尾:商品系とか営業系の方を主に丸谷が担当で、それ以外の管理系とかシステム、店舗開発のところが私が担当ですね。

富山:それは社長になってからも、何かスッと、なんかそのままっていう感じ?

赤尾:そうですね、ほとんど何も。部屋だけが変わったくらいですよ(笑)

富山:でもやっぱり、社外から見られたときの反応とか変わってきますよね?

赤尾:そうですね、外の人の反応が全然違うというか、何十年も連絡取っていない同級生から連絡が来るみたいな(笑)やっぱり何か社長の肩書きっていうのは違うんだなというのは思いますね。

富山:いやでも本当にでもお取引先さんも含めて全部変わりますよね。じゃあ引き続き丸谷さんも変わらず、業務に当たられて、出社もされ、元気でっていうことですね。

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セコマ赤尾社長(手前はセコマPB商品)

○大学卒業後、マツダに就職し、経営企画を学ぶ。そしてセコマへ

富山:赤尾さんはセコマに入社前、マツダにいらっしゃったじゃないですか。どうしてマツダを選んだのですか?

赤尾:当時マツダで、職種別採用ってやってまして。今でこそ珍しくないんですけど当時は日本企業でやってるところはなかなかなくて。そんな時に、半年から1年で社内の色々な部署を回るというフォードの人が作った経営企画の職種が面白そうだなっていうのでマツダに入社しました。

富山:じゃあもう最初っから経営企画を経験するっていうコースみたいな感じで?

赤尾:はい、そうです。結局半年か1年でディーラーも入れたら7ヶ所動きました。それぞれの部署では、歴は浅かったですが、どんなことをやってるかっていうのがよくわかって、実際に経営企画にも配属され、5年間ですごい勉強させてもらいました。

富山:そこからセコマさんに入社するまではだいたいいつくらいって決めてたんですか?

赤尾:そもそも、セコマに入社するかどうかも別に考えていなくて。マツダにずっといてもいいし、でも将来は経営コンサルタントみたいになりたいなっていうのもあり、経営コンサルタントになるには実際の会社の事を知っている方がいいだろうと思ったんですよね。あんまりセコマに入ることは考えてなくて、ただ昔から付き合いのある人とかにいろいろな話をされましてね(笑)

富山:まあされますよね(笑)

赤尾:いろいろ悩んだ上で、5年で20代のうちにセコマに戻るかなって感じですね。

富山:そこからセコマさんにはいられてからっていうのはどういうふうに業務されていたんですか?

赤尾:僕は5月に入社したんですけど最初は新入社員と同じ研修中を受けて、店舗研修で8月ぐらいまでお店まわったり、実際に業務にあたったりした後、主要な部署を2、3ヶ月ずつまわって。入社2年後に財務担当役員になりました。

富山:なるほど、そこで会社全体が見えてという感じですか?

赤尾:そうですね、財務担当になってから徐々に管理する部門が増えいって、その中でやりやすいように変えてきたっていうかですね。具体的には例えば決裁規定とかを揃えました。中小企業ですから、経営者との繋がりで意思決定がされたりするんですけど、ある程度組織立って動けるように、まずは規定を揃えました。

○早めの覚悟を決めた2月、終息については両極端な2パターンを想定するコロナ禍

富山:改めて、本当にすごい時期に社長に就任されましたが、このコロナ禍は赤尾さんにとってどういう感じですか?僕はこんなに急激に状況が変わってくんだっていう、ジェットコースターのような感じだったんですけど。

赤尾:最初は正直、中国の病気だと思っていました。でも2月からだいぶ雰囲気変わって北海道知事の緊急事態宣言が出て、そんな中で今考えていることとしては、この影響はずっと残って元に戻ることはないだろう。ただいろんなものが壊れていくかもしれないけれども、新しいものも出てくるし、様々なやりようがあると考える。それがどうなるかっていうのを考えながら対応していかなきゃいけないなとは思ったんですよね。

富山:いつぐらいにこれは長引くなっていう覚悟を決めましたか?

赤尾:2月末ぐらいですかね。

富山:早いですね!

赤尾:得体の知れないウイルスですし、今でも明確にわからないから、両方を考えなきゃいけないと思うんですよね。早く終息して元に戻る一番いいパターンと、逆にもう今世紀中にはどうしようもないみたいなパターンの両方を想定した上で、2月の段階ではその先が見えない、長いかもなっていうのは思ったんですよね。

富山:本当に目まぐるしい感じでしたよね。セコマさんとしてはそのあいだって社内の動きとか対応とかってどうだったんですか?

赤尾:やっぱり店のウイルス対策をどうにかしなければというところでした。最初は店の従業員用のマスクの供給、消毒用アルコールの供給、その次に、レジに飛沫防止ボードの設置みたいに段階的に策を講じました。本社の勤務体制は、4月に入ってから完全に分散にしました。

富山:僕ら小売業は店があるから、本社の体制も完全にリモートってわけにいかないじゃないですか、やっぱり店舗支援があるので。そんな中で店舗側はずっとお店に立たれているというのは、店舗従業員はすごく不安は抱えてらっしゃいますよね。

赤尾:それは今でも同じかもしれないですね。ただ人によってかなり温度差があって、今でも自分は絶対かからないと思っている人もいれば、過敏な人もいて。従業員の中にも温度差があるなかで、どこまで対応するかっていうのはすごい難しいなと思うんです。

富山:そうですよね。合理的なところと、心理的なところとってあるじゃないですか。さらに合理的なところもファクトが限られているなかなので。まさにリスクの幅をどこに置くかっていうのはすごい判断に迫られますよね。また北海道広いから、セコマさんもそうだけど全道にあるから、地域によっても結構温度差はありますよね。

○両社の教訓となった北海道胆振東部地震、活きた新規導入のチャットツール

富山:BCP対応の観点でいくと、コロナ禍はウイルス対策、2年前は北海道胆振東部地震がありました。当時はセコマさんもすごく対応素晴らしいと話題になりましたが、地震からの教訓などはありますか?

赤尾:あの時は地震が発生してから、グループサプライチェーンの被災の影響はその後も続いたんですけど、災害自体は酷くならなかったと思うんですよね。コロナはある意味災害なんですけど、パターンは違うなと思ったんですよ。でも本質的に震災との違いをとらえにくいですね。震災の時一番困ったのが携帯の基地局がダウンしてコミュニケーションができなくなったっていうのがあるんですよね。1月にチャットのツールを社内でいれていまして、災害対応だけが目的ではないんですが、人と人との距離をとるコロナ禍では有効活用できている。店舗を担当する社員なんかはもう出勤はしないで、基本的に直行直帰にしているんですけれども、そうした中でもコミュニケーションレベルがあまり落ちることなくお互い情報が共有できているので、これはかなり前回の地震の時よりはうまく対応できていると思いますね。

富山:なるほど。サツドラもチャットいれているんですけど、本当に災害やこういう時に力を発揮しますよね。スピード感が全然違います。

次回に続きます〜!!
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