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【#えぞ財団:首長インタビュー第2弾】村中比布町長×木下さん②~農業に付加価値をプラス!脱均一化で価格も所得も上向く町に~

■村中 一徳:2018年から比布町長。
比布役場で産業振興課長・総務企画課長補佐などを歴任。民間企業との協力や農業の振興による活性化を推進、SNSを駆使し自ら町の魅力を発信するなど積極的にPR活動も行っている。1969年旭川市出身。趣味は読書、スポーツ観戦。
■木下 斉 : 一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事。
1982年東京都出身、母親が旧丸瀬布町(現遠軽町)出身。著書「地元がヤバいと思ったら読む凡人のための地域再生入門」「地方創生大全」「稼ぐまちが地方を変える」等。


後継者が戻り水稲も大規模化。次に目指すは「冬のスキー×イチゴ狩り」の新たなスタイル

木下:農業系で新規就農される方とか、稲作もあると思うんですけど別の農業とか林業とかそちらの分野で比布町はいかがなんですか?

村中:新規就農については数年前に一件あったんですが、農業に関しては後継者の方が割と戻ってきていますね。

木下:なるほど、じゃあちゃんと儲かっているんですね。

村中:はい、耕作放棄地も今ない状況で、新規に稲作で就農したいという方のニーズにはお答えできない状況なんですよね。

木下:町内に関して農地はほぼ動いているという事ですね?

村中:そうですね。高齢になられて辞める方ももちろんいらっしゃるんですけれども、そこの土地は近くの若い方々が購入したり賃貸したりして良い土地は引き合いが強いと思います。

木下:そこの事業継承的に大きな課題が差し迫っているわけではなくて、ポジティブな状態という事ですね。

村中:そうですね、水稲に関しては一軒の農家が50haも60haも作っているような状況で大規模化しているんです。大規模化しているからこそ実はイチゴが少し下降気味、手が回らないと言いますか。イチゴの世話をする時期とお米の世話をする時期が少し重なるんですよね。比布としてはイチゴが歴史のある作物で大正時代からあったみたいなんです。多分当時の農家の方々はすごく苦労されていたと思うんですけれども、子供達に甘い物を食べさせてあげたいという気持ちから自家用として始まったようなんですよね。
そういった思いのある作物ですのでそこは続けていきたいと思ってですね、去年から冬は農家の方も割と時間あるのでできるだけ経費をかけずに冬にイチゴが出来ないかと。

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比布町の冬いちご

木下:温かくしないといけないですもんね。

村中:そうなんです。農業試験場ですとか、試験研究機関とも協力しながら去年から冬のイチゴにも若い農家の方にチャレンジしていただいていて、この前の冬は少し実験に失敗しちゃったんですけど、これから試行錯誤して冬にイチゴが出来れば、スキーとイチゴを同時に楽しめるようになります。

木下:良いですね、観光農園が出来ると稼ぎが変わりますよね。

村中:全然違いますね、作ったものをそのまま売るというより少しでも加工した方が価格は上がるので。

木下:そうですよね、知り合いのイチゴ農家の方も皆さん出荷作業に非常に手間がかかるというので、お客さんに来てお金を払ってもらって食べてください、という方が人員を確保しなくても良い。傷が付いたら出荷できないというストレスもなく、スキー場とかに来られる方がいらっしゃる場所のすぐ近くで真冬にイチゴ狩りが出来るとなったら、すごく面白いですよね。

村中:理想ですね。イチゴ狩りはいつも6月下旬頃から7月中旬頃までがハウスじゃない露地のイチゴ狩りなんですけれども、毎年一万人以上の方にお越しいただいておりまして、「比布のイチゴ」というのは旭川近郊では定着しているかなという感じです。


木下:へえ~比布のイチゴは旭川周辺だと食べられるという事ですね?

村中:そうですね。輸送費もありますし生産量も減っていますので、あまり遠くまでは送らずその時期になると旭川周辺で売っている状況ですね。

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比布町のゆるキャラ、スノーベリーちゃん

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